新幹線で隣り合わせた妖艶な人妻のページ1

営業部の係長をしている宮城憲一は仕事上大阪への出張が多い。毎月一度は新幹線で出張するのだが、たいていの場合はビジネスマンと隣り合わせ、女性と隣り合わせたことは全然無かった。
が、6月中旬の今回の出張で初めて30歳前後と見受けられる妖艶な女性と隣合わせたのでした。
女性は薄い水色の七分袖ジャケットとスカートで身を包み、襟のついた白いインナーシャツとのコンビネーションが凛々しく上品な女性に仕上がっているのでした。

憲一は女性を一見した時から、その美しさに惹かれ、言葉を交わしたくて仕方がなくなるのですが、きっかけが見付からず悶々とするのでした。

憲一がその女性と言葉を交わす切っ掛けになったのは、手帳に書き物をしていた女性がボールペンを落とし、そのボールペンが通路側に腰掛けている憲一を通り越して通路にまで転がったことでした。

憲一がさりげなくボールペンを拾って女性に手渡したのが切っ掛けでその妖艶な女性と会話が弾むようになったのでした。
憲一が名詞を渡すと女性も名刺を憲一に差し出したのでした。

女性は坂口静香と言う名前で、アメリカのワイン会社のマーケティングマネージャーと言うタイトルが付されていました。

憲一と同じ大阪に出張中で、今夜は大阪に一泊するとのことで、女性が予約しているホテルが憲一の予約してあるホテルと同じだったことにも驚いたのでした。
憲一は偶然の一致に気を良くし、思い切って夕食を一緒にしないかと誘ったのでした。

憲一の提案を静香がすんなりと受け入れてくれ、7時にホテルのロビーで会う約束が出来たのでした。
憲一は稀なほどの美人と一緒に夕食をする約束が出来、有頂天になるのでした。
が、会話の中で憲一が少し疑問に思うことを聞いたのは静香が人妻であると言うことでした。
子供はまだ居ないとのことでしたが人妻が出張先でたまたま新幹線で隣り合わせた男と夕食をすることを簡単に受け入れたことに憲一は少々疑問になるのでした。

憲一も結婚しているのですが、美人の人妻と出張先で二人だけで夕食をとれることを幸運に思い興奮するのでした。


憲一はその日の7時10分前にはホテルのロビーへ降り静香を待ったのでした。
静香からスマホに電話が入ったのはその直後でした。

静香から都合が悪くなって一緒に夕食が出来なくなったとの連絡でした。
張り詰めていた憲一の高揚感が一気に崩れ、憲一は意気消沈したのでした。
それでも憲一は静香から電話を貰えたことだけで自分を納得させるのでした。
今日静香と名詞の交換をしておらず、ロビーに現れない静香を待ち続けるよりは良かったと自分に言い聞かせるのですが、残念さを完全に払拭することは出来ないのでした。

憲一は一人でホテルの近くの居酒屋へ出かけ、一人で寂しい夕食を兼ねたお酒を楽しんだのでした。

ホテルの部屋に戻ってからも、憲一の酒は続き、部屋に備え付けられている冷蔵庫からウィスキーのミニボトルを飲み干したのでした。


先ほどの落胆とは真逆の電話が静香から入ったのは9時少し前でした。

「憲一さん、今日はご免ね、憲一さんは今どこにいるの?」

憲一は静香が自分を姓ではなく名前で呼んでくることに親近感を覚え、沈んでいた憲一の気分が一気に昂ったのでした。

「今は自分の部屋ですが・・・」

「憲一さんのお部屋は何階なのかしら?」

「僕の部屋は10階だけど・・・」

憲一はこんなことを聞いてくる静香を訝しく思いながら答えました。

「そう、10階なの、それじゃ私の部屋の方が上の階ね、私の部屋からの方が良い景色を楽しめそうね、憲一さん、私の部屋に来れない?今日約束を違えたお詫びにコンビニでお酒を買って帰るから一緒に飲みましょうよ?憲一さんの好きなお酒は何かしら?」

沈んでいた憲一の気持ちを一気にひっくり返す静香の提案でした。憲一が部屋の冷蔵庫にもう一本あるブランデーで十分だと告げると静香が納得し9時20分に15階の自分の部屋に来るように部屋番号を憲一に告げたのでした。

次のページ

この小説の最初へ戻る

エロ小説集花蜜TOPへ戻る


FC2 ブログランキング
人気ブログランキングへ
にほんブログ村 大人の生活ブログ 恋愛小説(愛欲)へ
にほんブログ村

エロ小説

inserted by 2nt system