共に離婚した兄と妹の同居生活のページ1

29歳になる藤原憲司が離婚したのは丁度一年前の6月でした。
憲司は恋愛結婚をしたのですが、付き合っていた頃には全然気付かなかった妻のふしだらさが結婚後6ヶ月頃から目立ち始めたのでした。
几帳面な憲司が妻のふしだらさを直そうと注意する度に口喧嘩になるのでした。

いくら注意しても直らない妻のふしだらさに耐えられなくなった憲司は離婚を決意したのでした。

故郷でみかん園を経営している藤原家の次男の憲司は東京で一軒家を住居にしているのですが、この家は実家の父が投資目的と憲司が東京に出た時の為の準備にと購入してくれていたのでした。


その一軒家に憲司と年子の妹の晴美が転がり込んで来たのは3ヶ月前でした。
妹の晴美は23歳の若さで実家と同じ故郷のみかん農家の一人息子と結婚したのですが、子供の出来ない体だったのが離婚の原因でした。
農家の跡継ぎが早く欲しい義父母に急かされ晴美は毎夜の如く夫とセックスに励んだのですが、3年経っても、4年が経っても子供が出来ないのでした。

義母と夫に強く勧められて大学病院で診てもらった結果、不妊症だと診断されたのでした。

夫が少し離れた農家の娘と浮気して、その娘を妊娠させたのはそんな時でした。
義母はその女性が生む子を養子として引き取り、晴美の子として育てるように迫ったのでした。
夫が子供を作らせた相手の女性は高校時代の2年後輩で晴美も知っている女性でした。

そんな関係もあって晴海は義母の提案を断ったのでした。
それからでした、義父母の意地悪が酷くなり、夫との関係も壊れてしまったのでした。
酷い時には、義母が夫の浮気相手を自宅に呼び一緒に食事をするなど、殊更にその女性を可愛がるのでした。
そして、挙句の果てに「こんなこっとになったのはお前が子供の出来ない体だったからだ、うちには跡取りが必要なんだ」と罵られたのでした。

晴美は義父母のいじめに耐えられず、5年間の結婚生活にピリオドを打ち、婚家を出る決意をしたのでした。

晴美が離婚して暫くすると、別れた夫の子供を孕んだ女性が別れた夫の家に入り浸り、いずれその女性と再婚するであろうことは容易に想像出来るのでした。

こんな状況下で晴美は田舎で暮らすことが苦痛になり、東京で新しい仕事に就く決心をして両親を説得し、上京して憲司の家に転がり込んだのでした。


憲司と晴美は年子のせいもあってとても仲の良い兄と妹で、身の回りを几帳面に面倒を見てくれる晴美に憲司は大助かりなのでした。

炊事、洗濯、掃除は晴美が全てこなし、憲司は几帳面で清潔好きな妻を娶ったような満足感を覚えるのでした。

晴美にとっても兄憲司との生活は快適でした。5年間の苦い結婚生活に比べると天と地ほどの違いがあり、憲司の下着の洗濯から靴磨きなど一切苦にはならず、むしろ悦びなのでした。


「お兄ちゃん、今日は焼肉にするからね、お兄ちゃん好きでしょう?」

金曜日の夜、憲司が勤めから帰ると、玄関に出迎えに出た晴美が弾んだ声で憲司に告げました。

「焼肉か、いいなぁ、焼肉は大好きだよ、晴美ありがとう・・」

「お兄ちゃん、お風呂が湧いてるから先にお風呂に入ってよ、その間に夕食の準備をしておくから・・・」

晴美の几帳面さから家の中はどこもがきちんと片付いており、掃除の行き届いたうちはとても快適で、憲司は別れた妻が晴美のようであれば、離婚していなかっただろうと思うのでした。

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