出来心が招いた女高生の悲劇のページ２

コンビニの店員ではない泰蔵に許しを請うことを奇妙に思いながら、沙希は必死に泰蔵に謝りました。そして警察署に突き出すことだけは絶対に避けて欲しいと願うのでした。

泰蔵の運転する車は警察署ではなく住宅街の一軒の家の前に止まりました。泰蔵がリモコンを手にしてボタンを押すと、シャッターが上がりました。そこは駐車場でした。
泰蔵が手際よく車をバックで駐車場へ入れ、再びリモコンを押してシャッターを閉じました。

泰蔵に促されて沙希が車から降りるとセンサーが働いて駐車場に明かりが点きました。
「さぁ上がれよ・・」
車から降りた泰蔵が顎をしゃくって駐車場の壁面に設けられているドアから上がるように促しました。
沙希が恐る恐るドアを開けると、廊下が伸びていました。
「上がれよ、何と言ったっけ・・そうそう沙希って言ったかな・・・さっさと上がれよ沙希・・・」
呼び捨てにする泰蔵の声は有無を言わせぬ強い響きでした。沙希は警察署でなかったことにひとまず安堵し、カバンを提げて廊下へ上がりました。
沙希は泰蔵の家族が気になりましたが、誰も居ないようで静かでした。

沙希は泰蔵に肩を押され、リビングと思われる部屋に通されました。

「そこに腰掛けろ・・・」
泰蔵がまた顎をしゃくってソファーに腰掛けるように促しました。
柔らかいソファーで尻が沈み、下腿を立てていると沈んだ股間の奥が見えるようで沙希は両方の膝から下を斜めにしたのでした。

「万引きは許されないことだよな・・・万引きは立派な犯罪だよな・・・自分のしたことが分かってるのか沙希・・・」
泰蔵が沙希を厳しく咎めるように言いました。沙希は一言も言えず、泰蔵が見逃してくれることだけを切望していました。

「名門女子高の生徒が万引きするなんてとんでもねぇことなんだよ、お前の一生を台無しにしてしまうんだよ、分かってんのか沙希・・・胸に隠したものを出しな、ここへ」
泰蔵がまた顎をしゃくってソファーテッブルを指しました。
沙希は制服の前を広げることに恥かしさを覚えるのと同時に、万引きの確証を泰蔵に掴まれることに抵抗があるのでした。

「早く出せ・・・」
沙希がモゾモゾしていると泰蔵が大きな声で脅すように言いました。沙希は泰蔵のドスの効いた声の大きさが怖くなり、手を胸に入れ、ブラジャーの下から口紅を取り出しました。

「ほら、やっぱり万引きしてたろぅ・・・このまま犯罪人の烙印を押されたいか沙希・・・俺が警察へ通報したら、お前の一生に大きな傷が付くんだよ・・・警察へ通報しようか？」
いかつい顔をし、体格のいい泰蔵の脅しは迫力満点でした。沙希はこの男の許しを得るのはなかなか難しく思え、暗澹たる気持になるのでした。そして、つい出来心で万引きしてしまったことが悔やまれるのでした。

「警察に通報していいか、沙希？」
泰蔵がしつこく沙希を脅すのでした。
「勘弁してください。もう絶対にしませんから。許してください・・・」
沙希は必死でした。警察に通報され、両親に知られてしまうと、もう生きていけないとも思うのでした。沙希は泰蔵に深く頭を下げ、いつまでも頭を上げずに泰蔵が許す言葉を吐いてくれるのを期待して待ちました。

「俺の言うことを聞いたら勘弁してやってもいいよ・・俺の言うことを聞くんなら警察には黙っといてやるよ・・・」
泰蔵の言葉でした。泰蔵が何を要求するのかは不明でしたが、警察に通報されることだけは絶対に避けたいと沙希は思うのでした。

「何を聞けばいいんでしょうか？・・・」
沙希は下げていた頭を上げ、恐る恐る聞きました。

「そこで裸になれ、俺にお前の裸を見せれば警察には黙っといてやるよ・・・」
沙希にはのめる話ではありませんでした。誰にも見せたことのない処女の体を今日会った泰蔵に晒すことなど出来る訳がありませんでした。

「そんなこと・・・できません・・・」
沙希は泣きたくなる気持を抑えながら必死に答えました。
「なら、いいよ・・・これから警察へ行こうか？」
「・　・　・　・　・　・　・　・」
沙希は絶対絶命の境地に追い込まれた感じになりました。そして再び口紅を万引きしたことを悔やむのでした。

「どうするんだよ、沙希・・・ここで裸になるか、警察へ行くか、どうするか早く決めろ・・・」
泰蔵が苛立つように沙希を急き立てました。

「裸になるのだけは・・・」
沙希は半ば泣きながら、泰蔵の許しを請いました。
「ダメだ、どっちかだ・・これから警察へ行くのであれば裸にならなくていいよ・・・早く決めろ・・」
泰蔵の凄みの効いた言い方に沙希は震え上がるのでした。

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