雨の日に拾った妖艶な女子大生のページ1

父が手広く経営している宝飾店の専務をしている宮田家の長男で26歳になる俊一は毎年山中湖の別荘で夏休みを楽しむのが通例になっているのでした。
その日、俊一が5キロほど離れたスーパーで買い物をし、車を運転して別荘に帰る途中の午後3時頃、かなり激しい夕立が降り始めたのでした。

別荘まであと二キロほどの辺りに差し掛かった時、傘もささずに、ずぶぬれになって歩いている若い女性に出会ったのでした。辺りには軒先を借りて雨宿りをする民家もなく、女性は髪からTシャツそしてスカートまでをビショビショに濡らして足早に歩いていました。

「乗りなさいよ・・・」
俊一は女性の横で車を止め、女性に車に乗るように声をかけたのでした。
「こんなに濡れていますから、車のシートを濡らしちゃいます・・・」
「何を言ってるんですか、シートなんかすぐ乾きますから・・この先どこも雨宿りができるところは無いですよ・・とりあえず乗りなさい・・・」
が、雨で体まで濡れていると思われる女性は、恐縮して車には乗らず、また歩き出したのでした。
俊一は少し車を走らせて追いつき、また女性の横に車を止め、身を倒して助手席側のドアーを開けたのでした。
「遠慮は要らないですよ・・・こんなにずぶぬれになって・・・早く乗りなさい・・・」
俊一は女性に車に乗るように少し強い調子で言いました。

「いいですか?」
「当たり前じゃないですか、早く乗りなさいよ・・この先何キロも人家が無いんですよ・・雨宿りできるところは無いんですよ、早く乗りなさい・・・」
俊一が車の助手席のドアーを更に開いて女性を誘うと、恐縮しながら女性は車に乗ったのでした。

「今日は、晴れてたから傘を持たなかったんですね・・夕立にやられましたね、お気の毒に・・・」
雨に濡れた女性のTシャツが体にピッタリと張り付き、胸のラインがくっきりと見えるのでした。俊一は女性のふくよかな乳房にドキリとなりながら、冷静を装って声をかけました。

「すみません、ありがとうございます・・」
「いいんですよ・・丁度通りかかったもんですから・・・お一人で観光されてたんですか・・東京から来られたんですか?」
俊一は洗練された、上品な顔立ちをした女性は東京から来ているに違いないと想像して聞いたのでした。
「ええ、東京から一人で来たんです、バスで・・・観光って言うか、当て無し旅行って言うか・・なんとなくここに来てたんです・・・」
二十歳を少し過ぎたと見える女性が観光目的でもなく、なんとなく山中湖に来たと言う女性の言葉が俊一は理解できないのでした。

「ところで、これからどうされますか、行くところが決まってるのであれば、そこまでお送りしますよ・・」
「行く、目的地はないんです・・・」
俊一はまた女性の返事が理解出来ないのでした。
「目的地のない旅行ですか・・・お帰りになるのであれば駅までお送りしますよ・・・だけどこんなに濡れてしまっているから、電車にもバスにも乗れないですねぇ・・・」
女性は小さいハンドバックだけしか所持しておらず、着替え用の衣服だとか下着を持参しているとは思えないのでした。それをまた俊一は疑問に思うのでした。

「困りましたぁ・・・」
何の準備も無く無計画のまま山中湖に来たのを女性は悔やんでいるようでした。

「もしよろしければ、うちの別荘に行きませんか、そこで衣服を乾かせばいいですよ、そんな濡れたままでは何にも出来ないでしょうから・・」
俊一は思い切って女性を誘ってみました。
「あなたは別荘をお持ちなんですか?」
「いや、僕のものじゃないですよ・・・親父の持ち物ですけど・・だけど今は別荘には誰も居ませんから・・僕一人だけですから、何も遠慮することは無いですよ・・先ず衣服を乾かさなきゃあ・・・あなたも身動き出来ないでしょうから・・・どうですか、うちの別荘で衣服を乾かしませんか?」

「甘えてもいいですか?濡れたままじゃ、本当に何も出来ませんから・・・何の準備も無しに来てしまったお馬鹿さんだわねぇ私は・・・」

「遠慮は要りませんよ・・・それじゃ、うちの別荘へ行きましょう・・車ですから、二〜三分で着きますから・・それまで、ちょっと我慢してくださいねぇ・・・」

女性は雨で毛髪も濡れてしまい、化粧も落ちていましたが目鼻立ちの整ったかなりの美人でした。俊一は美人女性を別荘に招くことに興奮しながら車を走らせました。

雨は降り止まず、蒸し暑い不愉快な午後でしたが俊一の心は弾むのでした。

「あ、そうだ冷房は切りましょうね、体が濡れてるから冷房の風はよくないでしょう・・・」
俊一は言うが早いか車の冷房を切りました。
「すみません、私は助かりますけど、あなたは暑くないですか?」
「大丈夫ですよ、それより、あなたが風邪を引かないか心配ですから・・・」
「すみません。ありがとうございます」
「いいんですよ・・気にしないでください・・・」

俊一はこの女性が一人であてもなく山中湖に来ていることを疑問に思いながら運転を続けたのでした。

間もなく車は俊一の別荘に到着しました。

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